プリリズとアイカツの2頭体制がすっかり馴染んできたアイドルコーデもの。その発展のお陰で先達のどこが新しかったのか改めて分析する材料がどんどん増えています。
そこで今回はリルぷりの画期的だったところについて考えてみました。結論から言えばそれは、
「3DCGのダンスパートをバンクとして魔法少女ものの各話フォーマットに落とし込んだこと」
だと言えるでしょう。
魔女っ子とアイドル
そもそものアイドルコーデものの起こりはラブベリなのですが、「オシャレ魔女 ラブandベリー」のタイトル通り魔法でおしゃれしてる設定なわけです。魔法ならおしゃれな衣装がどんどん出てきても納得だね!
ところがこれがきらレボになると魔法関係なく普通にアイドル。今時魔法で成長しなくても、小中学生が普通にアイドルできるということが当たり前になったのです。
魔法少女の生き残り
ところが更に時代を下って登場したリルぷりは思いっきり魔法少女ものでした。ピンチに陥った魔法の国を救うため、マスコットの力を借りて変身しアイテムを集める。こってこての魔法少女ものですね。さらにアイドルをするために変身と同時に成長するという、定番の要素も忘れてはいません。
そんな古典的魔法少女要素を備えたリルぷりでしたが、そこにむしろリルぷりのもたらした革新の鍵があったのです!
販促ノルマを完全バンク化という画期的なシステム
魔法少女ものには、変身→魔法→解決 という勝利の方程式のようなものがあって、これが毎回後半の流れになると同時におもちゃ販促のキモになるわけです。というわけで変身シーンや魔法を使うシーンはバンクになるのですが、当然変身から解決までをまるごとバンクにできたりはしませんでした。例えばプリキュアなら、変身してから必殺技までの間の戦闘を全部バンクにするようなものです。当然無理*1。
ところがプリキュアだとバトルの部分がアイドルものであるリルぷりだとダンスなのでバンク化できるのです! 魔法少女ものの各話フォーマットにおける販促を完全バンク化! しかもCGだからバンクだけどゲームの売りである衣装チェンジができる。
この画期的なバンクシステムはリルぷりがアイドルものでありつつも魔法少女ものであったからこその産物で、魔法少女の番組フォーマットにアイドル要素としてのCGダンスがぴったりはまったのです。
リルぷりが生み出したこの仕組みは、後続のプリリズやアイカツに受け継がれています。
ちなみにリルぷりは変身バンクはあっても必殺技に相当するものがなかったのですが、プリリズは必殺技に相当するプリズムジャンプを用意してきたというのがかなりうまいですね。