【これまでのあらすじ】
この前買ったストラテジーが実際どれくらい約定するのか探り始めました
今回は確実に約定したときに絞って、結果を見ていきます
確実に刺さる条件
指値した価格に株価が達しても約定するとは限らない…
例えば30円に買い指値を入れてその日の安値が30円でも、自分の注文が通る前に株価が31円に戻る場合も多々あるわけです。それでは31円に戻るのとは逆に、更に下がって29円になった場合は…? そうです! 確実に約定しています。30円の注文を全て消化しないとそれよりも株価が下がらないので
であれば価格が下抜けした、確実に約定している場合のみでバックテストするべきですね。そしたら気づいたんですよ。「システムトレードの達人」にはそういう条件でバックテストする機能があるということに
これで簡単に確認できる♪
でも、よくよく考えてみると、元々あんまり指値が刺さらないくらい板が厚い価格を下抜けする場合って、更に下がるような局面なわけで、それに限定すると成績は期待できないのでは?
バックテストの結果
はい。その通りでした
株価が指値に触れたら必ず約定したとみなす「緩い」条件と、株価が下抜けした場合のみ約定したとみなす「厳しい」条件で、月次累積損益を比較するとこうなります
「厳しい」場合は安定してマイナスを叩き出していますね! ここまで酷い結果になるとはなぁ
ちなみに前回検討した価格帯別に、「厳しい」条件でのリターンを見るとこうなります
最低株価を上げていくとまだましになっていく感じですね。「緩い」場合も絶対値で言えば同じく減少していく傾向でした
取引数を見てみると
ここで取引数を見てみると色々と面白いんですよ。前回検討した価格帯ごとに、「緩い」場合と「厳しい」場合の取引数をグラフにしてみます
ギャンブルみたいであんまり好きではない表現ですが、利益が出た場合が「勝ち」、損失が出た場合が「負け」、トントンの場合が「引き分け」ですね
「緩い」場合は最低株価を上げると勝ち(と引き分け)が減っていきます。一方、負けは同じくらいです。そりゃリターンが減るわけですね
「厳しい」場合は負けの数が「緩い」場合と同じくらい。一方で勝ちの数は負けと同じくらいまでに減っている。そしてこれは最低株価を変えてもあまり変わらない
となるとですよ、「負ける」場合はほぼ指値を下抜けしている(そりゃそうだ)。そして、下抜けしないで反転したケースこそがリターンの源泉であるというわけですね
約定する割合を仮定する
というわけで、このストラテジーが儲かるには確実に約定するわけではないケースで、頑張ってできるだけ約定してもらうしかないことがわかりました*1。それでは指値に到達したうち、どれくらいの割合で約定すれば儲かるのか? 単純に「緩い」場合と「厳しい」場合の間をとる計算をして、ざっくりみてみましょう
一番約定しそうな最低株価W円以上のデータで計算しました。0~10割というのが、指値に触れて下抜けしなかった場合の約定率(仮定の値)を表します。約定率5割が、単純に「緩い」場合と「厳しい」場合を足して2で割ったデータで、他は「緩い」場合の割合を変えてあります。3割くらい約定すればトントンって感じですね。実際に5割約定はいけるんじゃないかなぁ? それでも年率リターンは10%くらいで、月次の最大ドローダウンが17%くらいあるのはもうちょっと何とかしたいところですね。実際そこまでいけるか怪しいデータなので
今後の対策
下抜けすると損失が出る。これがとっかかりになるんですよね。損失を防ぐための
一方、安定して損失が出るということは、同じ条件で売れば儲かるはずなのです
これらの方向で攻めていこうと思います
(追記)
ちなみにシス達で今回の検証ができると気付く前に、同じような検証ができるサービスとして見つけ出したのがこれです
*1:まあ、もっと上の価格帯を探ってみると違うのかもしれませんが