オンラインのシステムトレードツールであるiTRADEの無料体験に登録して、がっつりバックテスト機能を使いまくってみました。ネットに大して情報が出てこないので、参考までにどんなもんか書いてみます
iTRADEとkabu.com API
信用取引の手数料無料に釣られてSBIからカブコムに移ってきたところですが、どんなサービスがあるものかとカブコムの公式サイトを読んでたんですね。そしたらすぐ見つかったのがこちら
なんと珍しいことに株取引のAPIを提供してるんですね。FXだとよくあるらしいんですが、つまり外部のサービスを通して株のデータを見たり取引したりできるわけです。そしてカブコム証券がAPIの提供を認めた中には株式自動売買サービスが! こうして僕はiTRADEを知りました
ちなみに割と最近カブコム証券のAPIが新しくなったそうなんですが、iTRADEはまだ新APIに接続できておらず、しばらく自動売買は停止中だそうです*1。マイナーなせいかそういう重要な情報も全然出てこないんですよねぇ…
約定の判定を厳しくバックテスト
僕がまず目をつけたのは、バックテストと実売買の差を少なくできるとうたっているところ。ちょうど指値が実際に約定するかしないか調べたいと思ってたんですよね
APIで証券会社からデータ引っ張ってきてるので、過去の板のデータを持っててそこから約定率とかスリッページとか推定できるのかと思ったら
株価が抜けたら約定したと判定するそうです。そして同じ機能がシス達にあることに僕が気づくまで長くはなかった
各種デバイスからアクセス
株シストレ用のツールはPCにインストールして使うソフトが主流ですが、iTRADEはウェブ上のサービスなので、アカウントとネット環境があればどこでも異なる端末から利用できます。便利! 便利ですが、iTradeのサイトはPC用のブラウザ向けのデザインをしているので、スマホのブラウザからだと操作性が劣悪なのは覚悟する必要があります。スマホ用アプリとかありません
自動取引!
これがiTRADEの目玉です。特に役立ちそうなのはトリガー注文。指値を値段が十分近づいてから出すとかできます。資金効率がよくなり、仕掛ける機会が増えますね
それ以外は自動で注文を出してくれる以上のことはあまりできません。実は。
なぜならiTRADEは現在、分足のデータを使う機能の提供を中止しており、基本的に日足に基づく動作しかできないのです。分足が使えたら喜んで課金してTradestation用のストラテジーを移植してたんですが…
カブコムは多彩な注文機能が強みなので、下手したら手動で注文した方が色々面白いことができたり*2*3
まあ自動取引は置いとくとしても、同じストラテジーで条件に応じて注文方法を使い分けることができるので便利です。シス達とかだと指値で利食い狙いつつ、条件満たしたら成行で手仕舞うとかできないので…
バックテストにめちゃくちゃ便利!
自動取引は思ったほどではなさそうですが、バックテストするには非常に有用です。PCにインストールする普通のシストレソフトと比べてみましょう。普通のシストレソフトでバックテストする場合、
- バックテストをスタート
- 待つ
- バックテスト終了
- 結果を見たり見なかったりしつつ、条件やパラメータをいじる
- 再びバックテストをスタート
- 待つ
- (繰り返し)
といった感じですが、iTRADEの場合は
- バックテストをスタート
- バックテストしてる間に条件やパラメータをいじって別のバックテストを準備
- 準備が終わったらバックテストを予約
- さらに別のバックテストを準備
- (繰り返し)
- 終わったバックテストの結果を確認
という風になります。そう、普通のシストレソフトは1台のPCで一つのソフトを動かすので、バックテストの間はソフトが使えません。そこがiTRADEだとサーバーがバックテストしてる間に他の作業ができるうえ、バックテストの予約もできるので、上手いことやれば寝てる間にでもサーバーがやっといてくれます
パラメータを5個とか10個試すことを考えたら、毎度バックテスト終わるのを待つよりも、一度に作業してバックテスト予約に放り込む方がかなり楽になるのはお分かりいただけるでしょう
しかもですね。iTRADEは複数のストラテジーを組み合わせたストラテジーのバックテストで、個々のストラテジーに分けたデータ一覧とグラフを出力してくれます。これを応用すると、同じストラテジーのパラメータなどを変えたやつを一度にバックテストして、結果を並べて表やグラフにできるんですねー!
このバックテスト機能だけでかなりおすすめできます。月々の課金額に見合うかは怪しいけど! 年にひと月だけ課金して、その間集中してバックテストするみたいな活用法を目論んでます
(追記)
iTRADEのヘルプには入門講座があるんですが、そこで実用に耐えるストラテジーをゲットしました