考察とは名ばかりで感想?

最近は主にゲーム(戦略系)と資産運用(目指せ脱労働!)

「想定最大ドローダウン」とは?

システムトレードで目指せ!自分ヘッジファンド

システムトレードのストラテジーを評価するにあたって、毎度「予想最大ドローダウン」を計算しているわけですが、この「予想最大ドローダウン」とは何なのか一度まとめておくことにしました*1。合わせて関連する独自の用語についても説明します

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定義

ここで僕が「予想最大ドローダウン」と呼んでいるものは、

  • バックテストの結果から
  • 統計的に予想される

最大ドローダウンになります

具体的には、「99.865%*2の確率でドローダウンがこれより小さくなる値」です

ただし、予想最大ドローダウンを計算するにあたって、各取引の損益が正規分布に従い、各取引の損益が確率的に独立で相関がないという前提に立ちます*3

「ドローダウン」が長いので、ときたま想定最大DDと略すことにします

計算方法

バックテストの結果から取引当たりの損益e標準偏差σを計算すると、次の式から最大ドローダウンDを計算することができます。

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↓のサイトを参考にしたので、そこを見ればもっと理論的な詳細が書かれています

note.com

高校2年くらいの確率統計と微積が分かれば十分理解可能です

計算例

これまでこのブログで想定最大ドローダウンを計算した記事を、参考に貼っておきます

kurutto115.hatenablog.com

関連用語

合わせて想定最大ドローダウンに関連する概念、用語についても解説しておこうと思います

元本保証取引数

取引数がある値を超えると、リターンの期待値が3σより大きくなります。詳しいことは上に貼った参考サイトを見てもらいたいのですが、つまりは「これ以上の取引数では資金が元本を下回らないことが期待できる*4取引数」というものが存在します。僕はこの取引数のことを勝手に元本保証取引数と呼ぶことにしました。元本保証取引数Nは、取引当たりの損益e標準偏差σから次の式で計算することができます

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元本保証期間

「これ以上の取引数なら…」って言われても、ピンときませんよね。ということで分かりやすいように日数*5や年に換算して考えるというのをやってます。この日数や年に換算したものを僕は元本保証期間と呼んでいます。計算方法は

元本保証期間=元本保証取引数÷バックテストの取引数×バックテスト期間

です。日数に換算した元本保証日数なら、バックテスト期間のところをバックテストした期間に含まれる営業日の数にします。年換算する場合、バックテスト期間がぴったり年で区切れないこともあります。その場合は一度日数に換算してから、バックテスト期間に近い年区切りで年当たりの営業日を計算し、それで元本保証日数を割れば元本保証年数になります。つまり、

元本保証年数=元本保証取引数÷バックテストの取引数×バックテストの営業日数÷年当たり営業日

予想最大ドローダウン取引数

取引数nの時点で生じうる最大のドローダウンをnの関数D(n)と考えたとき、D(n)が最小値を取ることからここで言う予想最大ドローダウンが計算できるわけです。すると当然、D(n)が最小値を取る取引数n、つまり予想最大ドローダウンが生じうる取引数を求めることもできます。まあ、細かいことは置いといて*6

この取引数を予想最大ドローダウン取引数、長いので略して予想最大DD取引数とでも呼びましょう。我ながら好き勝手にどんどん用語を作ったものですね。取引当たりの損益e標準偏差σに対して予想最大DD取引数は次のようになります

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スターリングレシオ

リスクリターン比を評価する指標は色々ありますが、スターリングレシオ

スターリングレシオ=損益÷最大ドローダウン

で表されます。損益が通算損益だったり期間あたりの平均損益だったりとバリエーションがありますが、僕は

年平均損益(期待年間リターン)÷想定最大ドローダウン

をよく使います

調整後リターン

想定最大ドローダウンが大きいのであれば、その分ポジションサイズを減らせばいいわけですが、その分期待リターンも減るわけです。そこで、複数のストラテジーで想定最大DDを同じ値に揃えた時のリターンを(最大ドローダウン)調整後リターンと呼んだりしています

計算するには、

調整後リターン=期待年間リターン÷想定最大DD×希望する最大DD

となるわけですが、この式にはスターリングレシオが含まれていますね?

なので、「これくらいなら許容できる」というドローダウンを決めたら、それにスターリングレシオをかけることで期待リターンが計算できるわけです

――――

想定最大ドローダウンの他にも上で述べたような各種数値を計算した例として、↓の記事を参考に貼っておきます

kurutto115.hatenablog.com

*1:そうすれば毎回詳しく説明する代わりにこの記事へのリンクを張ればいいもんね

*2:正規分布の-3σを下回らない確率

*3:実際には必ずしもそうではないので所謂ファットテールが生じるわけですが

*4:99.865%の確率で

*5:正確に言うと営業日の数

*6:置いときたくない人は参考サイトを見てもらうとして