考察とは名ばかりで感想?

最近は主にゲーム(戦略系)と資産運用(FXで食ってくぞ!)

ひぐらし業「大ループ説(無限ループ説)」の利点と難点

色々あって夏アニメあんまり見れてねー! というわけで無事にひぐらし卒も放送中なわけですが、ここで備忘録的にとある考察についてまとめておこうと思います*1

それは大ループ説*2、無限ループ説*3、多重ループ説、カケラツギハギ説、カケラごちゃ混ぜ説、カケラザッピング説、キメラ世界線説などと言われているもので、要点としては

  • 沙都子がループを繰り返すことそのものが繰り返されている
  • 場面ごとにカケラ世界線が切り替わっている

というものです

これだけだと「何だよそれ!?」となること請け合いなのでもうちょっと詳しく説明してる↓を見てくれ!

ね? 面白そうでしょ?

ネットで色々話題になっていたので、そこで見かけたこの説の根拠・説明がつく点/矛盾する点・説明できない点をまとめました

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発端

この説を提唱し一気に広めたのがこちらの動画

www.nicovideo.jp

淫夢動画と見せかけて10分くらいからガチ考察が始まる奴~

上にこの説の別名を大量に書きましたが、それ以外にもこの動画の名前を取って野獣先輩園崎魅音説と呼ばれていることもありました(ギャグかよ

何で最初から真面目に考察動画やらないで淫夢動画にカモフラージュしているのか謎ですが、それについては再生数稼ぎ説、外れてたら恥ずかしいのでネタ扱いできるようにしている説、動画に使ってる本編のキャプが外国語字幕付き違法アップロード動画由来なのでもっとアウトな淫夢素材を使うことで誤魔化してる説などがあります

根拠や利点 

作画ミス??

まず始めに作画ミスっぽいものがいくら何でも多すぎること。ひぐらし業は別に作画が崩れまくったりしてないので、ここまでミスを修正できないほど余裕がないとは思えないし、一部は間違えようがなく思える。そこで、意図的にやっているものが多分に含まれているのではないか*4、そして矛盾する作画は並行世界を表しているのではないかと考えられています。例えば、カットが切り替わると小物の位置が変わっていたりするのは、類似した並行世界に切り替わっていることを意味し、視聴者は並行世界の出来事が繋ぎ合わされたものを見せられていると考えます。この解釈の肝は、ひぐらし業の各編が単一のループであると見せかけて、似たようなループが複数あると考える点です

作画ミスと見せかけてわざとやってそうな箇所の例を挙げると、

  • 鬼騙し編で圭一がレナに襲われる辺りでリビングのカーペットが消えてる
  • 綿騙し編で富田君と岡村君の妄想が言ってることと画面に映るイメージが逆
  • 祟騙し編(猫騙し編冒頭の回想)で大石に撃たれたはずの白髪の老人が次のシーンで大石から逃げている(白髪ゾンビ)
  • 猫騙し編で富竹がしているチェーンのネックレスが消えたり現れたりする(富竹チェーン)

などなど。もちろん他にもいくらでも怪しいところが出てきます

ここで注目に値するのが、郷壊し編でも同様に作画ミスにしては怪しいところが見受けられる点。例えば

  • 授業の板書は集合論なのに沙都子のノートは多項式か方程式
  • 補習室の窓の外に森が増える
  • ベッドに寝ている悟史が次のカットで消える
  • 取調室の机や電気スタンドの種類が変化する

作画ミスのようなものが複数の平行世界を組み合わせた結果だとすると、沙都子がループを始める郷壊し編も複数回繰り返されていることになるので、既に述べたループ自体のループである「大ループ」を示唆しているわけです*5

また、古出神社関連で次の要素が場面によって相違があり、特に何かありそうな点として指摘されています

  • 古出家の家紋が反転する*6
  • 古出神社の狛犬が阿形と吽形が逆になる
  • 古出神社の扁額が右横書きだったり左横書きだったりする

旧作との違い(特に反転)

旧作から何故か変更されている箇所があることは早くから指摘されていました。「大ループ説」では旧作と今作の間に存在する無数のループの間に変化したなどとして説明を試みます

よく言われるものとしては水車小屋の水車の回転方向やオヤシロ様像が反転しているところですね*7。それと今作のオヤシロ様像は壊れていない。郷壊し編で沙都子は祭具殿に昔忍び込んだって言ってるのに。ここの矛盾もあって特に注目されているポイントです

他には旧作だと1階だったはずの教室が2階になってたり。古出家の家紋が二つ巴から三つ巴になっているとか、ルチーアの校章も変わってるんじゃないかと言われてますね。ネタとしては村長の髪が増えてるのも似たようなもんじゃないかと言われます。他にも梨花や沙都子の性格が旧作と違うんじゃないかなんてのも。いくらなんでも郷壊し編で沙都子が急におかしくなりすぎだろって言われますもんね

旧作との違いが直接的に大ループを示唆するのはやはり郷壊し編。郷壊し編冒頭は祭囃し編の終盤なはずですが、天気や部活メンバーの並び順、赤坂がいないといった違いがあります。今後の展開に繋がる沙都子の台詞が追加されてるのもそうですね。これはつまり郷壊し編の冒頭は旧作の祭囃し編ではなく、旧作の展開を何度もループしているのではないかと推測されるわけです。もっと直接的なのは、沙都子が見た梨花の100年にも旧作との違いが見られる点ですね。似たようなところでは猫騙し編の赤坂が回想で怪我をしているところが挙げられます。同じ猫騙し編では、皆殺し編の回想らしきシーンでも旧作との違いが指摘されてますね

旧作との違いを応用したような考え方で、梨花が何故か旧作のラスボスである鷹野に対して何の対策もしないことを説明できます。つまり、鷹野のことがバレずに突破したルートの梨花を見せられている可能性ですね。まあ沙都子が下準備してる間に鷹野は改心してしまったので、業でループに巻き込まれている梨花が鷹野の悪巧みを知らないのは当然かもしれませんが

その他のポイント

エウア周りはあからさまに怪しいとこ多いので、大ループ説関係でも色々考察があります。例えば沙都子がループするたびにエウアの周りにカケラが増える描写があるのに、初めてエウアと沙都子が出会った時点で大量のカケラが存在した点も大ループとカケラツギハギで説明できます。「久しぶりだな人の子よ」という台詞も、他の竜騎士作品との関連ネタかと予想されていましたが、大ループを仮定するとそれっぽく聞こえるわけです。エウアと名付けられた時の反応もそうですね

圭一がやたらタフなのも、圭一が死んだカケラと死ななかったカケラが組み合わされた結果で説明できます*8。そもそもレナに襲われる辺りは色々変すぎる…(レナが倒れてる向きとか、時計の針が位置変わってて時間めっちゃ経ってるっぽいとか、圭一が怪我してないと思われる箇所に包帯巻いてるとか)

大石が惨劇起こした時の発砲が多すぎるのもカケラツギハギで説明できますね。装弾数が5、6発のはずなのに、再装填する間もなくそれ以上撃ってる*9

面白いのはそこに続く梨花と羽入の別れのシーン。羽入を追いかける梨花が複数のカケラに映るわけですが、物理的に映っているのではなく、同じ光景が複数回繰り返されているのでは??と考えることもできるわけです

カケラといえば業のラストでカケラに梨花と沙都子が映るシーン(この記事のアイキャッチ画像のやつ)、郷壊し編なのに猫騙し編のカケラがあることになるわけで、大ループの裏付けになるやつです

人気のある説として、鬼狩柳桜が欠片しか残っていないのは無限に近い大ループで梨花が沙都子に使い続けた果てに磨り減ったから説があります。この説の利点は大ループの原因を説明できることですね。ループのし過ぎでぶっ壊れた沙都子がループの記憶を失った説だと、一度死んだら沙都子がループに気付くはずだとか、何故沙都子がループ能力を一旦失うのか説明できないなどの問題があるので

面白いのは業でいくら何でも悟史の影が薄すぎるだろと提唱された悟史不在説。両親が離婚した際に父親についていったとか、発症する前に本当に家出した*10とかで、悟史が雛見沢にいないカケラが混ざってるんじゃないかという説です。郷壊し編で沙都子がさよならにーにーしたのと関係があるんじゃないかと言われてますね。真実を知った沙都子が、悟史が惨劇から逃れられるようにしたという。この説によって魅音に人形渡したのに詩音が出てきたり、園崎の拷問部屋が使われていないという魅音の発言に説明がつきます。悟史ではなく詩音がいたりいなかったりすることで説明する説もあります。詩音も業では出てきそうで出てこないことがあるので…

思い切った説では、祟騙し編で部活メンバーを利用しようとしてる沙都子と普通に風邪の沙都子が切り替わってたりもあり得るんじゃないかと言われます。何故か圭一誘い出してて視聴者にわけわからんことになってる沙都子もカケラをツギハギした結果なのではないかと

郷壊し編で指パッチンして神経衰弱に勝ったり、H173のケースのロックを解除したのはその度に自殺してループしたと見せかけてカケラをツギハギした結果を見せられてるなんて説もありますね。まあ自殺してループしてるとしても実際に各周回を編集して上手い事繋いだ映像を見せられてるわけですし

他に細かい点では

  • 綿騙し編と郷壊し編で神経衰弱の配置が違う(違ったら沙都子はクリアできないはず)(まあ旧作でもクリアできてるわけですが)
  • 沙都子の「最初」のループで惨劇を突破する前の梨花が楽しそうに日めくりをめくっている
  • 業1話でびっくり箱に飛ばされる沙都子を見て変な反応をするレナ(猫騙し編をフラッシュバックしている?)

なんかが挙げられます

難点

大ループ説最大の難点は記憶の蓄積がリセットされないと成立しないところです。記憶の蓄積で鉄平や鷹野が改心してしまうと旧作の部分も含めた大ループにならないので

鬼狩柳桜で刺された説でも、梨花が沙都子を刺した後で自分にも使ったらそれで終わるので無限ループにならないという難点があります。割とありそうな展開で途切れる時点で、無限に近いループを繰り返す前にループが終わるだろうという

悟史不在説も問題を抱えていまして。沙都子がさよならにーにーした途端にベッドの上の悟史が消えてて、なるほどーここで悟史を消す前と後をツギハギすることで、沙都子がそう仕向けたことがわかるのかーとか感心したんですが、これ、沙都子が梨花のループ100年分を見てる途中のシーンなんですよね。これは沙都子がループする前なので悟史を消せるわけがないという

それとカケラのツギハギを作中でどうやって理屈付けするのかという問題が生じます(記憶継承が行き過ぎて現実と別のカケラがごっちゃに認識されているとか?)。単にこのアニメが謎解き要素としてそうなっているだけで、作中においてツギハギされてるわけじゃないですという可能性もありますが、その場合視聴者にネタばらしするのが困難になります

残る謎

大ループ説で説明しきれない部分もあるんですよね。例えば次のような例

  • カレンダーに記載された年が複数ある(業19話)*11
  • トランプの絵柄と数字が合ってない(業19話)*12
  • 神経衰弱なのにスートと数が同じトランプが複数ある*13
  • 梨花と沙都子が中学生なのに台所に踏み台がある*14

このように同じ画面の中で変なことになってる場合はツギハギで説明できません。まあカットの間を編集するだけでなく同じ画面内でもツギハギされてる説もあり得ますが。同様に

  • 富田君と岡村君の妄想が言ってることと画面に映るイメージが逆
  • 詩音はマネージャーと言っているのに画面に映るイメージは新体操

という映像と台詞が食い違っているところも、ツギハギで説明するには台詞と映像をツギハギしてるという新たな解釈が必要となります。また、世界線をツギハギしているのではなく、ループのしすぎで作中世界がバグってて一瞬で物や人が消えたり現れたりしてる説もあります。映像編集ではなく実際に世界線が混線してる説というも。これらの説では旧作との違いに関して、いくらループしても建物の構造とかループ前の話だし変わらないんじゃないか?という謎も説明できます

エウア関連も大ループ説だけではまだまだわからないことだらけです。「赤き海の星」とかいくらループしても海が赤くなるわけないだろ! キコニアのなく頃に関連じゃね?って話ですし*15。他にも沙都子がエウアを求めていたのに再会した時にはエウアを忘れていたというのも、大ループを示唆しているようで、じゃあ何でエウアを求める=エウアが沙都子の元を去ったのかという説明ができないわけで*16。それと既にエウアと名付けられているのに名前が無いと言うのも謎ですね

そして大ループでも解決できない、ひぐらし業最大の謎、沙都子のループに巻き込まれている梨花はどこから来たのかという問題。沙都子が準備を終わらせた時点で、勝手に惨劇の起きない雛見沢が完成しているわけで、そうすると業の梨花は何だかわからないけど惨劇が起こらなかったのでループ抜けられたという認識になるはず。そりゃあいくら何でもないでしょう*17

終焉??

こうして色々腑に落ちるようで不可解な点はまだまだ残っていることから大いに議論が盛り上がった大ループ説ですが、次第に勢いを失っていきました。卒までろくに考察材料が増えないので議論の種が尽きたのもありますが

修正されまくってる…

いや、トランプとかカレンダーとかあからさますぎるので流石に作画ミスじゃないだろうと思ってたら普通に修正されるのかよ!

更には

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悟志消えてないじゃん!! これ指摘されてるの確認したときは鳥肌もんだったのに! あの時の驚きを返して!

というわけで、大ループ説最大の根拠だった「作画ミスにしては分かりやすすぎ&多すぎだから何らかの意図があるのでは?」という説が、これは流石に間違えないだろうという箇所も思いっきりミスだと発覚して粉々に砕け散りました。大胆なミスほど気づきにくいっていうしね… 業は絵の上手さでいうと作画がしっかりしてるので、流石にここまで大量のミスが通ってしまうほど切羽詰まってるはずはないだろうと言われてましたが、作画のクオリティは高くてもチェックのクオリティはそんなにだったようです。まあ、op頭のめっちゃ決まってるカットでも、圭一の体を境に電柱の下半分消えてて放送中に修正されたくらいだしな!

更に卒が始まってみると業1話のレナの変なリアクションは普通に精神的に不安定なだけだったり、マジで圭一がタフだったりと、怪しいところが色々とあっさりクリアされてしまう…

とはいえ完全に怪しいところが消えたわけじゃありません。例えば↓は業1話ラスト、圭一とレナを見つめる梨花ですが

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卒2話だと同じシーンであからさまに同じ構図をしてるくせに梨花がいません

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そもそも1話ラストの梨花はなんだったんだっていう。他にも卒6話の魅音

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業だと和服に着替えたのは園崎家に圭一を入れてからだったはずなのに既に着替えてるっていう(まあこれも作画ミスかも

そもそも大ループで説明できたりできなかったりした色々な謎が全て明かされたわけじゃないですからね! 今後の展開も要注目です!!

*1:業と卒の間に書くつもりだったのに結局放置してしまった

*2:ふたばではこの呼び方が多い感じ

*3:5ちゃんではこの呼び方が定番

*4:もちろん普通にミスってる箇所もあると考えられる

*5:猫騙し編(やそれに繋がる祟騙し編)はまだ、繰り返されていたとしてもループがバレた沙都子が新しい梨花でやり直したという解釈が可能だが、郷壊し編の繰り返しは大ループを想定する必要がある

*6:業2話で21:24頃の太鼓アップとその前後の引きが分かりやすい

*7:エンジェルモートや圭一が不良のバイクを倒してしまうシーンも反転しているとか

*8:鉄格子破ったのはどうにもなりませんが

*9:ちなみにコミカライズでは5発装填なのがわかるアングルで描かれてきっちり5発だけ撃ってました

*10:その場合、叔母はほんとに薬物常習者に殺されていると考えられる

*11:片方の年はカレンダー作った富田豆腐店の創業年だという説がありますが、綿流しのポスターにでかでかと名前載せるポジションの店が1983年に創業したばかりなわけないだろ!っていう

*12:羽入の存在を示唆する演出だって説もあったり

*13:これは何話だっけ?

*14:別に捨ててないだけかもしれない

*15:まあ、ひぐらしエヴァをリスペクトしているのでループによって海が赤かったり青かったりするエヴァオマージュをやってます!という可能性も無きにしも非ずですが…

*16:特に鬼狩柳桜でループ能力奪われる説

*17:まあ鷹野対策をしてなかったのを考えると本当にそういう認識の可能性もありますが…

*18:画像はふたばで拾った