考察とは名ばかりで感想?

最近は主にゲーム(戦略系)と資産運用(FXで食ってくぞ!)

アイカツの新曲にすっかりはまってしまったので延々語る

前の記事が十分長かったしちょうど話題がひとまとまりだったので分割
ここまで詩の内容のみの話だったのでアニメのストーリーも絡めつつ

ツバサ先輩との対比

初めて『Dreaming bird』を聴いたときの印象は「これツバサ先輩と正反対じゃあ…?」でした
何せ

  • 「逃げ出さずその場で」←→ツバサ先輩は歌組を離れて劇組へ
  • 「折れた翼」←→むしろ大きく羽ばたいている。20話とか
  • 「その場所へ飛んでいくことはできない」←→劇組で羽ばたいたツバサ先輩はついにS4に

なので。
ともかく、アニメでもリリィ先輩とツバサ先輩を対比して描くのではないか、特にゆず先輩やひめ先輩、ゆり先輩との関係がどう描かれるのかは注目すべきポイントでしょう

「その場所」=S4とすると

さて、ツバサ先輩と反対な気がして具体的にそういうポイントを考えた結果、「その場所へ飛んでいく」=S4になる という図式が現れてきました。そうすると「その場所」は「あなた」がいるところですから、「あなた」は既にS4である人物となります。なので、リリィ先輩がこの歌を歌ってることから考えると「あなた」とはゆず先輩を指すと解釈することができます*1
ところでこの解釈をすると一つ矛盾が感じられる部分が出てきます。「その場所へ飛んでいくことはできない」では"まだS4になっていない"ではなく"S4になることができない"になってしまい、リリィ先輩が学園でS4に最も近い存在であることとは整合性がとれない。ここでポイントとなるのは「折れた翼」と「この歌声だけでも届け」です。ツバサ先輩にとって「翼」とは女優として劇組で活躍することの象徴ですが、リリィ先輩にとって「翼」とは何か? 「折れた」と言われていることからそれは既に失われてしまったものだと考えられ、そうして(リリィ先輩って以前はひめ先輩やゆめと同じ"力"を持っていて、それを失ったんじゃあ…?)という予想が出てきます。であれば「飛んでいく」とは"力"を活用してS4となることであり、それができなくなったために歌だけでS4の座を目指すというリリィ先輩の決意が「この歌声だけでも届け」という解釈ができます。まさに「この歌声」=「この手のひらに残されたもの」というわけです

「あなた」=学園長の写真の少女とすると

さて散々「その場所」=S4、「あなた」=ゆず先輩という解釈をした後でなんですが、別の解釈に移ります(笑)。まあ詩というものはダブルミーニング、トリプルミーニング上等ですからね!
ここで出てくるのがこの写真の少女

16話で学園長が見ていた写真ですが、銀髪ロングに赤い瞳… この人リリィ先輩の親族なのでは?そしてこの写真の持ち主である学園長はゆめの"力"について何か危惧しており、どうやら過去に"力"がらみで悲劇があった様子。以上からすると、リリィ先輩の身内が"力"に関係するトラブルの犠牲者になったという過去が想定できます
ここで"力"の行使は肉体に悪影響を及ぼすらしいことを踏まえつつ、悲劇の犠牲者=「あなた」とすると、「すべての傷を癒やす女神」の意味が見えてきます。翼の折れた「小鳥」が、傷ついているのは自分なのに「すべての傷を癒やす女神」になれるなれないの話をするのは不自然ですが、「あなた」が傷ついていると考えれば納得なわけです

「木漏れ日」について

「すべての傷を癒やす女神」はだいぶ”何でこの言葉のチョイスなんだろう?”と気になる部分ですが、それに続く「木漏れ日」もなかなか難しい。「鳥カゴ」→屋内、「木漏れ日」→屋外 といったところでしょうか。ところでアイカツスターズでよく木に登っているキャラといえばゆず先輩ですが、ここで「あなた」=ゆず先輩という解釈を持ち出すと「木漏れ日のような安らぎを」という歌詞もわかる気がします。それにしても鳥カゴと木の上では随分場所が違いますね。これが幹部とS4の差か

鳥カゴと鎖と薔薇

先程のツバサ先輩との比較では「鳥カゴ」=歌組という解釈になるわけですが、そうするとリリィ先輩は何か心情的なことで歌組を離れられない理由がありそうです。ところでPVを見るとステージに大きな鳥カゴがあるのに加えて、そこかしこに鎖や茨があって束縛のモチーフてんこ盛りです。どれだけ歌組から離れられないのでしょうか。そしてひときわ目立つのは青い薔薇。アイカツスターズで青薔薇といえば学園長。リリィ先輩が歌組から離れられない事情に学園長が関係している…?
その他にもステージに降ってくる羽や床の色がサビに入る前後で変化して、「小鳥」の心情の変化*2を表現する仕掛けがあったりして劇的なのですが、そもそもファッションショーステージなのが演出に生きてますよね。奥の鳥カゴの中から手前に歩いて行く振り付け。サビの前で駆け出していく*3躍動感!

まるで出来の良いスピーチのような

この詩*4の主題は「その場所へ飛んでいくことはできない ならせめてこの歌声だけでも届け」というフレーズに凝縮されていて、これが一番の盛り上がりどころであるサビの頭に来ているあたり歌詞としていい仕事してますね。そしてAメロBメロはこの決意に至った事情を説明していて、サビは決意の内容を掘り下げる。シンプルで実にわかりやすい
一方サビの直前の「見届けていかなくちゃ」はリリックもステージの演出も技巧を凝らして盛り上げにかかっている。「見届けていかなくちゃ」から始まって「ならせめてこの歌声だけでも届け」できっちり終わるCMの切り取り方が的確すぎる

拍子のお話

歌詞にしろステージ演出にしろ、内容に合わせて前半と後半で色々変化させてくるのが『Dreaming bird』なのですが、音楽的にも3拍子から始まって4拍子で終わるとかやってくれます。というかAメロだけでも前半が3拍子で後半が4拍子とかなってます*5。普通は繰り返しのところで拍子を変えるとは。3拍子だと時計を思わせるパーカッションの音色も相まって、お人形のような人工的な感じがしますね。そしてBメロ、変化の途中ということで混ざってるのは納得なんですがそれでも3+4で7拍子とか笑うわw 子供向けアニメで7拍子w 相変わらずアイカツは攻めてるなぁ

*1:ツバサ先輩にとって「あなた」にあたる人物はひめ先輩となるから、ツバひめとリリゆずの対比が視野に入ってくる

*2:これが「何も変えられやしない」にかかってくる

*3:そしてカメラが後ろから追いかけて追い越す

*4:まだ1番しか明らかになっていませんが

*5:「何も変えられやしないと泣いてばかりいた」の直後に変わるのがちょっと笑ってしまう。変えられないと思っているだけで実際は変えられるということか