後で書評を書くつもりですが、今読んでる某書の最大ドローダウンの計算方法がだいぶ大雑把だったので、もうちょっと納得できる計算方法を実践してみました。とりあえずの概算ではありますが
計算方法と解説
今回最大ドローダウンを計算するにあたっては、以下の記事を参考にしました
詳しい理屈はリンク先を読んでもらうとして結論から言うと、1回のトレードにおける期待リターンをe、1回のトレードにおける標準偏差をσとすると、最大ドローダウンD*1は次のように計算できます
早速計算してみましょう!
最大ドローダウン概算
今回計算に使うのは、現在自分が実践している「出来高ブレイクアウト」戦略を、9984ソフトバンクグループの10年間の値動きに適用したデータになります
運用額は¥1000万。手数料、金利等を考慮してます
取引当たり平均損益:¥ 67,584.82 (0.676%)
取引当たり標準偏差:¥271,990.22(2.72%)
ここから先ほどの式で最大ドローダウンを計算すると…
¥2,462,861.18(¥1000万当たり)!
ふむ、思ったより多いな…
¥100万くらいが自分の許容できるラインなので、運用額を減らして最大ドローダウンを¥100万に抑えましょう。計算すると¥406万が許容できる最大の運用額になります
逆に「俺は半額の500万吹っ飛んでもいいぜ!」という場合は、信用取引のレバレッジを効かせて¥2000万で運用できるわけですね
期待リターン概算
許容ドローダウンが決まれば、それに応じて期待リターンも決まってきます。年間の期待リターンを求めてみましょう
今回使用しているソフトバンクGのデータでは取引頻度は数日に1度のペースですが、他の銘柄も合わせればほぼ毎日取引することになるので、1年で200回取引すると仮定して計算します。ここでは他の銘柄もソフトバンクGと同じ平均損益と標準偏差ということにして計算してしまいましょう
そうすると許容ドローダウン¥100万での期待リターンは、¥1000万に対して…
54.9%!!
え? 何この年利、ヤバくない??
ちなみに年間の標準偏差は15.6%となるので、約34%の確率で54.9~70.5%のリターンが得られ、約14%の確率で70.5~86.1%のリターンとなりますヤバい。下回る確率が約2.3%のラインでも39.3%という破格の年利が確保できるぞ…!
ちなみにシャープレシオを計算すると3.5を超えます。投資信託だったら1を超えると優秀とかじゃなかったっけ…?
今後の課題
何度も言っていますが、この計算はあくまで「概算」です。以下の点でどんぶり勘定です
- 本当は複数銘柄で取引するのだが、とりあえずソフトバンクGのデータで算出している
- 取引毎のリターンとリスクとして、過去の統計値をそのまま持ってきている。真面目にやるなら仮説検定を行って信頼区間を算出し、より信頼できる値を将来の推定値として採用すべき
- 「出来高ブレイクアウト」の損益は明らかに正規分布に従わない。まあ二項分布も数増やせば正規分布に近くなるから大体合ってるでしょ*2
などなど
逆に言えばここらへんでもうちょっと正確に計算できそうね