この前iTRADEのおかげで実用的なストラテジーを一つ作ることができました
とりあえずこのストラテジーは「コナーズ改良型」とでも呼ぶことにして、今回はこの「コナーズ改良型」で統計的に予想される最大ドローダウンを計算してみます
計算方法
やることは以前↓「出来高ブレイクアウト」戦略について計算したのと一緒です
取引当たりの損益eと標準偏差σを計算し、次の式で最大ドローダウンD(3σ区間の最小値)を計算します
参考にしたのは↓のサイトです
計算結果
500万円単利運用のバックテスト*1結果から、
取引当たり平均損益:0.38%(¥19,081)
取引当たり標準偏差:1.23%(¥61,338)
最大ドローダウン:8.87%
おお、これは程よい!
取引数と期待リターン
さて、↑の参考サイトにも書いてありますが、取引数を増やしていくと-3σのラインが上昇し、当初の額を上回るポイントがあります。つまり、一定の取引数で元本が保証されることが期待されるわけですね。この「保証取引数」を計算すると、93.0回となりました。バックテストの取引数が624回、営業日の日数が3021日なので、日数に換算すると450.3営業日になりますね。およそ2年弱といったところ。できれば1年程度だといいんですが…
年単位の話が出たので期待年利も計算してみましょう。1年の営業日が244.8日*2とすると、年当たりの取引数は50.6回なので、年利は19.3%になります。うん、十分良い値だ!
課題
まあ前も言ったのの繰り返しになりますが、仮説検定して信頼区間を計算し、より確実な値で計算しておきたいところですね。今回は年間の取引数も結構ばらつきますし
取引数といえば、この「コナーズ改良型」はあんまり仕掛けない*3やつなので、他のストラテジーと組み合わせて資金を活用する余地がありそうですね
(追記)
記事を書いてから気づいたんですが、最大ドローダウンが9%弱なのに対して、実際のバックテスト結果で出てきた最大月次ドローダウンが8%弱と、割と近い値が実現してるんですよね。まあ-3σを下回る確率も0.1%以上はあるくらいなので、別におかしくはないのですが、1ヶ月でこれだけのドローダウンは理論値と合わないな?
最大ドローダウンが生じうるポイントは、基準となる位置から一定の回数だけ取引したところになります。今回の場合だと最大ドローダウンが生じるまで約23回かかる計算(まあ、途中で基準点よりプラスの収益でもよいので、実際最大ドローダウンが生じるまでもっと短くてもいいのではありますが)。しかし、月次ドローダウンが最大だった2017年11月の取引はたったの4回しかないのです
どういうことかと思って取引一覧を眺めてみると、1回の取引で4、5%の損失を出してることがちょくちょくあるんですよね。1回あたりの標準偏差は上に書いた通り1%ちょっとですから、これらの損失は3σ超えちゃってるわけで、起こる確率は0.1%ちょい。600回程度の取引数で何度も起こるのは明らかに多いと言えるでしょう
そうなるとこれは、取引の損益が正規分布に従わないせいだと考えるのがよさそうです。正規分布よりも分布の外れの方が厚くなっている、ファットテールというやつですね。市場価格の変動でも見られる特徴とのことですが、実際にデータを扱ってて遭遇するとは感動だなぁ
ともあれ、正規分布を想定した最大ドローダウンよりも、実際に起こり得る最大ドローダウンは大きめに考えておく必要があるということでしょう
(追記2)
「コナーズ改良型」を更に改善しました。しかしそれにはiTRADEへの課金が必要で…?