自動売買で資金効率をアップさせるとかなり改善されるのがわかってきた「コナーズ改良型」のストラテジーですが
今回は資金管理に手を加えてさらなる改善ができないか検討していきます
資金管理:バックテストの設定と実態
iTRADEのデフォルトだと最低保証金維持率30%分に手をつけず確保する設定になっているので、レバレッジ3倍に7割掛けた実質2.1倍になります。そして「コナーズ改良型」では1銘柄の最大投資額を資金の10%としていますが、これは実質レバレッジ2.1倍を掛けた値に対する10%です。つまり、元の資金が1000万だとすると買付余力は2.1倍の2100万円となり、その10%である210万円が1銘柄の買付額の上限です
しかし、実際に投資資金の30%に手をつけず取っておく必要があるのかというと、流石に保有中の時価で一気に-70%はないでしょという話なわけです。なので実際は、代用有価証券で目減りするのを加味してレバレッジ2.9倍くらいになる買付余力をフル活用することになる。ここの違いはどういう結果をもたらすのか、バックテストで比較してみました
実態に合わせた資金管理の結果
最低保証金維持率を0%に設定し、レバレッジを2.9倍、1銘柄の最大投資額を、210万円のままにするため全体の7.25%とすると…
- 期待年間リターン:23.6% → 29.8%
- 予想最大ドローダウン:8.51% → 8.07%
いくら実質レバレッジ上げたとはいえこれは相当な改善だな!?
銘柄当たり投資額増加でリターン上昇!?
さて、1銘柄の投資額を据え置きにするために、全体に対する割合を7.25%に下げたわけですが、この銘柄当たりの額を上げれば全体的にリターンが上がっていくのが目に見えているわけです。複数銘柄保有することそんなにないはずのストラテジーですし、指値に資金食われて仕掛けられない問題も自動売買で解決ですしね
というわけで、7.25%(橙)→10%(黄緑)→15%(水色)→20%(青)と変化させた累積リターンがこちら
20%までいくと下がってる時期もあったりして流石にどうかという感じですが、額を増やすごとにリターンもちゃんと増えていますね
年次リターンはこちら
やはり基本的に額を増やせばリターンも増える年が多いですね。20%でもマイナスの年はなし!
リターンの割にリスクが…
というわけでリターンだけ見れば15%くらいまで増やしていいんじゃないかという雰囲気ですが、リスクの方も見ていきましょう。↓と同じように最大ドローダウンなどを計算していきます
結果をまとめると…
銘柄当たり投資額 | 7.25% | 10% | 15% | 20% |
期待年間リターン | 29.8% | 33.4% | 36.2% | 37.2% |
最大ドローダウン | 8.1% | 12.7% | 20.5% | 29.0% |
平均年間取引数 | 64.7 | 61.4 | 57.5 | 54.6 |
元本保証取引数 | 70.2 | 93.7 | 130.3 | 170.7 |
元本保証期間(年) | 1.1 | 1.5 | 2.3 | 3.1 |
リターンの伸びの割にドローダウンがどんどん増えてく! しかも取引数が減るのも相まって、元本が保証されるまでの期間が最大3年と長い。7.25%だと1年強でちょうどいいんですが
期待リターン÷最大ドローダウンでカルマーレシオを計算すると次の通り
銘柄当たり投資額 | 7.25% | 10% | 15% | 20% |
カルマーレシオ | 3.69 | 2.62 | 1.77 | 1.28 |
調整後リターン | 29.8% | 21.2% | 14.3% | 10.3% |
最大ドローダウンが7.25%と同じになるよう元本を調整した場合のリターンを「調整後リターン」として併記しました。カルマーレシオがどんどん下がっていくので、ドローダウンが同じになるようにするとリターンが減ってしまいます
結論
1銘柄当たりの投資額を増やすとリターンは増えるが、それ以上にリスクが増えるのでリスク当たりのリターンは減る。という結果になりました
無理に「コナーズ改良型」でリターンを増やすよりも、別のストラテジーを併用する方が良さそうですね
(追記)
「コナーズ改良型」について思いついたネタをあれこれ試してみました