考察とは名ばかりで感想?

最近は主にゲーム(戦略系)と資産運用(FXで食ってくぞ!)

2023年テレビアニメ話数10選

これまで毎年見かけていたこちらの企画

【お知らせ】「話数単位で選ぶ、2023年TVアニメ10選」の集計を今年も「aninado」で行います!

たまには自分でも書いてみようかと重い腰を上げてみました*1

(画像は2023年ヒロイン4選)

魔王学院の不適合者 Ⅱ ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~ 第2話 魔王の知恵比べ

物語のスピード進行っぷりがすさまじい爽快感をもたらしているのが魔王学院のアニメですが、その強みは2期でも健在。2期のラスボスである神が1話で2回倒される天丼ギャグをぶちかましてもなお尺が1/3残っててBパートに突入する1話はその極みですが、ここでは続く2話をピックアップしました

4ヶ所で分かれて戦うことになるアノス達ですが、ここで注目すべきは原作とのストーリー構成の違い。原作は文字媒体かつウェブで区切りが小さいためアニメほど視点移動を多用しません。なので、ちょくちょく別のところで戦ってる仲間の描写が一段落してからアノスのところへ話が戻ってくるというような展開をします。この回の話だと原作はピンチ→逆転をそれぞれ繰り返すわけです。そこをアニメではピンチだけ先に纏めておいて、アノスが敵の裏をかいたタイミングから続けて味方が逆転する展開を畳みかける! 中々爽快ですね

この回では文字媒体でじっくり描写できる原作の謎解き要素がアニメに落とし込むには難解なので、もっとシンプルかつ伏線はちゃんと原作同様仕込める謎解きを用意しているのもアニメスタッフの仕事が光ります

D4DJ All Mix(第7話)Jun.「ハクチュウム」

ゾンビ回に外れ無し(激しくネタバレ)。元々1話完結で話の幅が広くできてるD4DJ2期の最たるものですね(多分真面目な話は1期で散々やった主役チームのハピアラだから変な回を任せられるってのもある)

英会話に苦労する回の次に何故か英語しか喋れなくなっちゃう回の時点で面白すぎるんですが、序盤から地味に不気味な演出でホラー回なのか??と疑問を抱かせておいて最後にやっぱりホラーじゃねーか!と種明かしする盛り上げ上手な演出。やりたい放題やってる回なので地味にギャグもやりたい放題できちゃうのも美味しい

冰剣の魔術師が世界を統べる 第9話「世界最強の魔術師である少年は、呪縛を解放する」

魔王学院でアニメの構成に落とし込むの上手いなって話をしましたが、そういう話題なら冰剣を欠かしちゃいけないのが2023年。まず5話の時点で上手いんですよね。序盤のボスとの決着を4話で終わらせずに敵が捨て身のパワーアップしたところで引いて、opをバックに本編を流す特殊opで戦いが終わるまでアバンでやりきる。そこから主人公レイの過去が明かされるという美味しいタイミングで、原作ではもっと後でやる過去編のエピソードを一部持ってくる。こういうテクニカルなことをやってる点では9話より凄いんですが、9話の方が好みな話をやってるんでそっちを選びました(幼馴染の女の子同士でお互いに抱いた思いをぶつけ合うバトル、熱い!)

アメリア編とも言える中盤の決着をAパートで終えて、Bパートからレベッカ先輩編な終盤が始まるのですが、BパートになってもAパートまでと同じ大会が続いてるんですね。なので回を跨がずにアメリアの試合が終わってからレベッカ先輩の試合が始まるのが実に自然で、一方でもう先輩編がスタートしてるので、この回のうちに大会が終わるまでに留まらず学園祭の出し物を決めるとこまでやっちゃう。ここで出し物を決めるホームルーム前に根回しする展開の前に、一旦ホームルームでメイド喫茶を提案して大騒ぎになるシーンを挟んでおくのも上手い

機動戦士ガンダム 水星の魔女 第14話 彼女たちのネガイ

普段は1対1かせいぜいチーム戦なのが、中盤に学園祭でバトルロイヤルやることで群像劇が一気に動き出すやつ!! それと併せて、学園の外部から介入されて滅茶苦茶になるというこのアニメの縮図みたいな展開もやってる。そんでもってエアリアルの正体が大体バラされるわ、スレッタが母の教えに疑問を抱き始めるわと重要な展開が立て続けに叩き込まれる

色々なキャラが色々な動きを見せて面白い回なのですが、特に注目だったのがエラン5号ですね。この回で本格的にキャラの掘り下げが始まったわけですが、おちゃらけてるけど実は滅茶苦茶強い。だけど本気出したらマジで死ぬので程々で済ませる。しかも何か重要そうな犯行現場を目撃してるんだけど、これを上手く使って生き残れるのか?逆に死亡フラグなのか??と今後の動静から目が離せなくなる

後は緊急事態なので一気に真面目になるセセリアとか、フェルシーとチュチュの転機になったりとか、サブキャラに美味しい出番が多すぎる

ひろがるスカイ!プリキュア 第22話 バッタモンダー最後の秘策!

ひろプリの敵で一番美味しいキャラになってるバッタモンダーが繰り出した「こいつを倒すと素体になってる隊長も死ぬぞ!」で戦えなくなって次回に続く溜めの回。ヒーローを目指す主人公は一度か二度心が折れなきゃね!

というわけで戦う勇気が持てなくなったソラちゃんも良いんですが、その前の卑劣な敵に怒りを燃やすソラちゃんも良いんですよこの回(普段は大型犬の擬人化みたいなキャラしてるのに)。台詞のキレが良すぎてガンダムみたいな言葉がポンポン飛び出す! 対するバッタモンダーも良い台詞吐くし、会話劇のテンションと同様に戦闘も良い感じに盛り上がる。節目の回なんで作画も普段より良いですからね

BanG Dream! It's MyGO!!!!!  #9 解散

MyGOは展開がキレッキレなのでどの回を選んでも10選に不足無いくらいなんですが、燈ちゃんの視点で描かれる(物理)という演出が巧みすぎる3話、ライブすることでこんだけ話を転がせるのか!と驚きの7話、バラバラになった仲間達が見事に再結集する展開を音楽に乗せるのが良すぎる10話が定番でしょうか。僕はひねくれ者なので敢えて9話を選びます

再結集するのが面白いならその前にバラバラになるのも面白いのは当然というか、すれ違いを描いてるMyGOでそれが面白くない訳がないのですが、9話は最初っから話運びが上手い。ノートの名字を書き直すシーンだけで親の離婚を描写し、クラスメイトから部活見学に誘われた次のシーンではもうコントラバスを弾いてるので、誘われるがままに吹奏楽部に入ってあんま人気ない低音楽器を引き受けちゃってるのが分かる

経験を積んでるので異様に察しが良いけど深入りはしない海鈴や、そよの真意に気付いて即座にバンドを抜ける愛音の、頭が回るし決断力も有るという彼女の長所が裏目に出てるところも実に良いんですが、やっぱりそよと立希の対決ですよねこの回は。今までずっと本心を隠してたのがもう取り繕う必要も無くなったのでガンガン酷いこと言えちゃうそよと、何だかんだ愛音や楽奈のことも大切に思えてきたけどやっぱり燈のことが一番なのを引け目に感じてしまう立希(それにしても「ずっと裏切ってたのかよ!」とか「復活させるためにやってたんだよ」とか特撮かファンタジーか?って台詞が飛び出てくるの面白すぎる)

立希と言い争いになる燈や前回スッといなくなる楽奈もそうですが、こいつら我が強いから本音をぶつけ合うと当然のようにバラバラになるというMyGOの根幹の設定が分かりやすく現れている回ですね。まあ実際バラバラになる回なのでそうなるに決まってるんですが

シュガーアップル・フェアリーテイル 第23話 妖精王となる者

ライバル砂糖菓子職人のジョナスが本性を露わにする3話と迷いましたが、狼をけしかけられてピンチ!の3話よりも、敵キャラ糸使いに捕まった(ねっとり良作画)けど助けが来た!(良作画)の23話の方が良いなって。ちょくちょくバトルがあってそこが地味に作画が良いのがシュガーアップル・フェアリーテイルの良いところですからね(これでおかしな転生よりばっちり菓子作りしてるの何なんだ)

砂糖菓子が主題なので、他の料理ものだとできないけどホビーアニメとかだと定番な作品を盗む展開を繰り出してくる3話もやっぱり良いんですが、インディーズの反政府組織なので実態がほぼほぼ強盗か山賊、まだ村一つ占拠しようかどうかってレベルという異様に地に足の着いた描写の23話も中々のものです(お菓子作りアニメなのに!?)。どちらにせよ悪人が暴れてると異様に面白くなるんですよねこのアニメ。23話では人間に虐げられてる妖精を解放すると豪語する自称妖精王のラファルが、上述の通り率いてる組織がしょぼいと思ったら本人も実は個人的な恨みでやってるだけだと看破されて納得。主人公アンを信じてひたむきに仕事を続ける菓子職人仲間と、ラファルに全然信用されてない妖精仲間という構図を見せて、結局妖精達もアンを信頼していく展開がこの回でしっかり描かれます

ビックリメン 第4話 NO BIKKURI, NO LIFE.

シリーズ構成がMyGOと一緒なアニメで、普段分かり合えない人々が音楽で通じ合う回やるのは反則だろ!? ともあれちゃんとバンド回として確かなクオリティを発揮してるんですよね。今プリパラでも歌ってる橘龍丸が熱唱してるし。そもそも基本がホビーアニメしてるビックリメンで、ホビーと音楽に共通点を見いだすとんかつDJメソッドは強いし、作中で一番タイトル回収してる回まである

君のことが大大大大大好きな100人の彼女 第7話 はじめましてのお薬少女

彼女同士の絆が一人一人描かれて尊いしオチが秀逸過ぎる10話と迷ったんですが、ギャグの好みとヒロインの可愛さで7話。テンポ良く繰り出されるギャグに合わせてロリキャラらしくコロコロ表情が変わる楠莉先輩が魅力的。100カノ特有の妙に展開が理詰めなのも相変わらずで良い

いや、10話も滅茶苦茶良い回なんですよ。囚われの羽香里に対する思いを一人一人新たにする展開はやっぱり隠れた百合アニメだなってなるし(それが後々羽々里がちゃんと羽香里のことを思って行動しているのにも繋がる)。敵も運命の人だったってオチも、原作だと一目惚れのビビーン!が一コマで済むからそれをオチにするのがシンプルな強さがある一方、アニメでは描写の重要さに応じてそこそこ時間が掛かる演出になってるのでオチにするには弱くなる。そこで原作だと次の回になっていた羽々里が即座に告白しちゃうネタまでやって2段オチにするのはアニメスタッフがメディアの違いを理解してる

星屑テレパス 第11話 再戦シーサイド

MyGOと違って再結成回をチョイス。思えばこの作品は加入も再加入も最後のくせに雷門瞬が滅茶苦茶話を回してるんですよ。こいつがいないとツッコミ不足で話が締まらないし、宇宙に行くという最終目的だけで具体的に何するか決まってないところにモデルロケット競技というストーリーの軸を導入してくれる。こうしてスポーツものとかホビーものみたいな枠組みを導入した張本人なので、加入、挫折、再起の辺りでその手の作品の論理で動くキャラなのも面白い

一方で、あくまでこの作品は主人公の海果が他人とコミュニケーションをどうするかが本題であり、ロケットはあくまで手段というのが徹底してるのが雷門の立ち位置にも現れてるんですね。ロケットがもっと主題だったら1話でこいつと出会わないと話にならないもんな(でもギャグの面では1話からいてほしい)

次点

にじよん あにめーしょん 第2話 ランジュと愛と可愛い

普通に本編の補完になるエピソードもありがたいアニメだけどここは普通にギャグな回をチョイス。やっぱり人数多いのを活かしてる回は好きですね

転生王女と天才令嬢の魔法革命 第7話 開祖と助手の魔学講演

メインヒロインが出揃ってみんなであーだこーだやってるんだから面白くなるに決まってる回。それにしても自分が吸血鬼だと知ってショックを受けてる女の子と、その子を側で支えてるけどそれは魅了能力食らってるからで、ガンガン吸血させるし他の女の血は吸わせないメイド、えっちすぎます~

吸血鬼すぐ死ぬ2 第9話『夢の国BBOLAND』

能力のメタを考えて上書きするとか、類似能力の奴が出てきたけど細かいとこで格の違いを描写するとか、ギャグアニメなのに能力バトルに真剣なのが分かる。それと良い空気吸いすぎだったY談おじさんが負けてバランスを取りにきてたのもグッド

ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~ 04 水没坑道

この作品の地味に真面目なところが良く出てた回。悪人面なのに師匠達がまともすぎるし、悪ガキ連中も普通に良い子なんだよな

葬送のフリーレン 第10話 強い魔法使い

もうどうやってアウラ倒すのか最初の方で丸わかりになってるのに、最後に倒すまでの間に敵の負けフラグを延々と積み重ねていって結果カタルシスが凄いことなってるの、圧巻のストーリーテリング

ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rhyme Anima + 第6話 Friendship is a single soul dwelling in three bodies.

原作ファンも知らない過去がちょくちょく出てくるのがネタにされてるこのアニメで、普通に原作ファンが知ってる過去が出てきて上手いこと話を転がしてるのがポイント高い

アイドルマスター ミリオンライブ! 第7話 ドキッ! 真夏の海のデビューバトル!

キャラの多いミリマスでも特に良い感じに多人数で話を回してた回。アイカツファンには実に良く馴染むお話でもある

でこぼこ魔女の親子事情 #11 使い魔たちのお留守番事情/肥大な不死鳥の減量事情/モテざる男たちの恋愛相談事情

フェニックスに変なことさせると無限に面白いというこの作品の強みを存分に発揮した回(個人的に残像だと思わせといて即座に「ではない」という台詞で否定してきたのがツボ)。マッド才媛キノコ先生が真っ当に医者の仕事してるのもこの作品らしい味ですね

こうして次点を並べるとやっぱり秋アニメはすぐどの回が良かったか頭に浮かぶんだよなぁ。結局冬アニメは忘れてるとこ多かったので本気でやるなら毎クールメモっとくべきですね。それとひきこまり最終回を見て今年のアニメ実況納めしたところで衝動的に書き始めたにしては、書くのに時間を取られたので次があったらもっと簡潔にしよう… ともあれ、去年参加してなかったばかりにRPG不動産9話を誰も選んでなかったという無念は晴らすことができました

*1:これまで「年末じゃあ冬アニメうろ覚えで秋アニメと公平に比較出来る気がしない…」という理由で参加しなかったのですが、今年は色々と記録を付けるようにしたら割と覚えてたので